コラム

最強の油「MCTオイル」

無理なく脂肪燃焼する正しい使い方とは?

巷で話題になっている「MCTオイル」。

アスリートやモデルに加えて、管理栄養士やレストランのシェフなど、食のプロも愛用している拡がりをみせています。普段の食事にかけるだけで脂肪燃焼しやすいカラダになることが期待され、最強の油としても注目が高まる「MCTオイル」。一方で、「どんな風に使うのが良いの?」などの声も寄せられるようになりました。

そこで、MCTオイルの特徴と正しいとり入れ方について、虎ノ門中村クリニック院長・中村康宏先生(内科医)にお話を伺いました。

今回、お話を伺ったのは…

中村 康宏 先生
虎ノ門中村クリニック/内科医/日本抗加齢医学会専門医

内科医・消化器内科医として研鑽を積んだ後、米国医師免許試験を突破しアメリカに留学。

帰国後、日本初「アメリカ抗加齢医学会」認定施設の虎の門クリニックを開業。現在、虎ノ門中村クリニックで診療中。

脂肪燃焼を促すMCTオイルは、1日あたり小さじ半分(2g)から使用が正解

■MCTオイルは、他の油と何が異なるの?

皆さんのご家庭では、普段どのような油を使用されていますか?食用油は、サラダ油やごま油、オリーブオイル、アマニ油、えごま油など種類が豊富ですが、これらの主成分である脂肪酸は全て「長鎖脂肪酸(LCT)」に分類されます。

 近年、健康志向の高まりを受けて、サプリ的オイルが生活に浸透している中、注目されているのが「中鎖脂肪酸(MCT)」です。主に、ココナッツやヤシ科植物の種実に含まれるほか、母乳にも大切な栄養として含まれている成分です。MCTオイルとは、この中鎖脂肪酸100%の油のことを指しています。

 過去の研究結果では、LCTとMCTをグループに分けて継続摂取した際に、MCTグループはたった2gの継続摂取においても、有意に体重減少が確認できたという報告もあります。

MCTオイルを2g継続摂取で体重が減少

■MCTオイルは、他の油と何が異なるの?

 MCTは脂肪燃焼が期待されていますが、いくつかの誤解も散見されるようになりました。そこで、MCTにまつわる三大“誤解”について、正しいとり入れ方をご紹介します。

誤解①MCTは厳しい糖質制限をする時に使用するもの?

 厳しい糖質制限をしなくても、MCTをとり入れることで、脂肪由来のエネルギー源「ケトン体」が増加することで脂肪燃焼が促されます。

誤解②MCTをたくさん摂ればより効果が期待できる?

 どんな油も「1g=9kcal」。MCTもカロリーは変わりません。総カロリーを意識した食生活が何よりも重要です。また、一回の摂取量が多いと、お腹がゆるくなることがあるため、小さじ半分~小さじ1程度の少量から継続的にとり入れることで、無理なく脂肪燃焼効果が期待できます。

誤解③MCTはオイルなので加熱しても問題ない?

 MCTは一般的な油と比べて発煙点が低い(160℃)のため、加熱には不向きです。普段の食事にかけるだけで手軽なことも、実は便利なポイントです。

脂肪燃焼回路のスイッチを押すMCT

普段の食事にかけるだけ 脂肪燃焼を促す最強の油「MCTオイル」のオススメレシピ

MCTオイル入りわかめと豆腐のみそ汁

▼材料(2人分)

絹豆腐

わかめ

顆粒だし

みそ

MCTオイル

50g

5g

小さじ1/3~1/2

180ml

大さじ1

小さじ1/2~1

【作り方】

① だし汁をつくる。

② 豆腐はさいの目に切る。

③ ①に豆腐を入れ加熱したら、味噌を加える。

④ 食べる前にわかめを加えて再度加熱する。

⑤ 器に入れ、MCTオイルをかける。

【ポイント】

✔みそは発酵食品なので腸内環境を整えてくれる。

✔みそに含まれる茶色い色素成分のメラノイジンは抗酸化作用があり、病気の予防にも繋がる。

✔ビタミンやミネラル類が多く、たんぱく質がアミノ酸の形で入っており、消化しやすく胃腸への負担が少ない。

ピリ辛ドレッシング×

きのことかぼちゃのグリルサラダ

▼材料(2人分)

お好みのきのこ(エリンギ、まいたけなど)

かぼちゃ

オリーブ油

しょうゆ

みりん

豆板醤

MCTオイル

150g

 

60g

適量

 

大さじ1

小さじ1

大さじ1・1/2

小さじ1/3~1/2

大さじ1/2

【作り方】

①エリンギは縦4等分に切り、まいたけは小房に分け、しいたけは石づきを落として半分に切る。
かぼちゃはラップで包み、電子レンジで40秒加熱し、薄切りにする。

②ボウルにピリ辛ドレッシングの材料(★)を入れて混ぜる。

③ホイルにオリーブ油を薄くぬり、その上に①を乗せ広げ、オーブントースターで約5分、
焼き色がつくまで焼き、温かいうちに②に入れて大きくざっくりと混ぜて器にのせる。

【ポイント】

✔かぼちゃに含まれるビタミンEは脂溶性なので、良質な油をオンオイルすることで吸収率アップ。
✔食物繊維が豊富なきのこが腸内環境を改善してくれることに加え、便通改善も期待されるMCTオイルを合わせて摂ることで腸活効果も。